イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男-

ローマの夜明け、皆が眠る頃、眠らない一人の男がいる。その男は、ジュリオ・アンドレオッティ。平静で陰険、謎めいたアンドレオッティは、40年来のイタリアの権力者。 90年代初頭、尊大でもないが慎ましさもなく、たじろぐことなく陰では他人を非難をし、曖昧でありながらも自信ありげな彼は、7期目の内閣総理大臣として不断に前進している。 彼の満足は、辛口で繊細。彼の満足は権力。権力と彼とは共存関係にある。彼が好きなのは、確固として永遠に不変な権力。それを使うことで、何年も前から、選挙戦やテロによる無差別殺人、名誉毀損罪の告発などのすべてから、痕跡を残さずに抜け出しているのだ。 この国で最も強大な反権力であるマフィアが、彼への宣戦布告を決心するまでは。 その時、事態は変わり、それは恐らくアンドレオッティにとっても影響を及ぼす。しかし、 変わったのは本質なのか、それともうわべだけのことなのか? ひとつだけ確かなことがある。アンドレオッティという、ほかの誰よりも世間での在り方を知る男を傷つけるのは簡単ではない、ということだ。

監督:パオロ・ソレンティーノ
出演:トニ・セルヴィッロ、フラヴィオ・ブッチ、アンナ・ボナイウート
2008年/イタリア・フランス/シネマスコープ/118分
原題:IL DIVO: La spettacolare vita di Giulio Andreotti  英題:IL DIVO
監督:パオロ・ソレンティーノ

1970年、ナポリに生まれたソレンティーノは脚本家としてそのキャリアを始める。1996年、アントニオ・カプアーノと共同で『Polvere di Napoli(ナポリの埃)』を執筆すると、徐々に短編映画を発表し始め、1998年 『L’amore non ha confini(愛に国境はない)』を執筆、監督し、第5回ショートフェスティバルで優秀短編賞を受賞する。 彼が頭角を現したのは、2001年に発表した『L’uomo in piu(原題)』 であり、同年のヴェネツィア国際映画祭に出品されると高い評価を受け、続く2004年製作の『愛の果てへの旅』はカンヌ国際映画祭出品の後、イタリア・アカデミー賞(ダヴィド・ディ・ドナテッロ賞)主要5部門を独占する。続く、『 L'amico di famiglia(原題)』(2006年)もカンヌに選出され、遂に2008年、イタリア政界の帝王アンドレオッティの実像を描いた『イル・ディーヴォ‐魔王と呼ばれた男‐』でカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞し、イタリア映画界の第一人者の地位を確立する。最新作はショーン・ペンを主演に迎えた英語作品『きっと、ここが帰る場所』(2011年)

1998年 L’amore non ha confini(監督・脚本/12分)
2001年 L’uomo in piu (監督・脚本/100分)
     La notte lugna (監督・脚本/15分)
2004年 愛の果てへの旅 (監督・脚本/100分)
2005年 Sabato, domenica e lunedi (監督/135分/TV映画)
2006年 L'amico di famiglia (監督・脚本/102分)
2008年 イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男- (監督・脚本/110分)
2009年 L’Aquila 2009 – Cinque registi tra le macerie
    (監督/ドキュメンタリー集の1エピソード)
      La partita lenta (監督/10分)
2010年 Napoli 24 (監督/ドキュメンタリー集の1エピソード)
2011年 きっと、ここが帰る場所(監督・脚本/118分) Allo specchio(短編)